全農協労連って?

 全農協労連は、全国の農協、連合会、農業関連団体に働く労働者・労働組合でつくる連合体です。
 1956年3月18日、前身である全農協労として結成され、戦後の食料難や労働者の劣悪な環境をはじめさまざまな困難の壁が立ちふさがる中で、全国のなかまの団結と連帯によって、地域農業の発展と、民主的な農協と運営の確立、労働者と国民のくらしを守るたたかいに奮闘してきました。

労働条件の改善と、働くルールの確立を!

 納得のいかない働き方、不当な人事評価、ハラスメント、低い労働条件に苦しんでいませんか?そんな状況では、とても仕事を続けられないし、事業や地域農業も発展することはありません。
 あらゆる「労働条件」は労働者と使用者が「対等の立場」で話し合い、双方の合意によって決められることが法律で定められています。
 一方的に働くルールや就業規則が変更されたり、説明も同意もなく納得できない異動・配置転換が強行されることも許されません。
 労働条件というのは、賃金や一時金(ボーナス)だけではありません、人事制度やその運用方法、推進など事業の進め方、人員配置まで、私たちの働き方にかかわるすべてが、労使協議の対象になります。
 職場の様々な問題を解決するためには、労働者と使用者が「対等な立場」で交渉することが大切です。もしも、使用者が不当なことを行ってきたら、団体行動権を行使して、毅然とたたかっていかなければなりません。そのための組織が労働組合です。
 全国各地の悩みや思いを同じくする農協・連合会・農業関連団体のなかまと一緒に、安心して働き続けられる職場をつくっていきましょう。

職場をこえた運動で地域や社会の発展をめざします

 際限のない農産物輸入の自由かや、「規制改革」に名を借りた政府・財界からの圧力によって、地域の農業は厳しさを増しています。そんな中でも、私たち農協・農業関連団体に働く職員は、国民の食料や地域農業のために力を発揮していきたいと願っています。
 ところが、農協系統はその経営と組織維持の対応に追われて、農家組合員の声や地域の実態に依拠した運営ができていないのではないでしょうか。それは職員のさらなる労働強化へとつながり、職場を疲弊させ、農家とのつながりや運営をさらに弱めさせる悪循環となっています。
 私たちは、農協の本来の役割発揮と、やりがいをもって働き続ける職場づくりを目指して、事業や運営に対して積極的な提案をおこないます。
 私たちの暮らしや働くルールは、職場の労使関係だけでは決まりません。職場が依拠する産業や地域、労働法制などすべての労働者に共通する課題によって規定されています。
 私たちは、全国の仲間とともに政府や業界団体にも要請・交渉して、職場を取り巻く政策の改善を求めます。また、様々な産業の労働組合とともに、最低賃金の引き上げや、労働法制をはじめとした制度や法律の改善に取り組みます。
 私たちは、職場での活動にとどまらず、様々な産業の労働組合や、消費者団体、農民と幅広く共同して、食料と農業、地域を守る運動に取り組んでいます。
 小規模な農家を排除するような農業政策や、際限のない自由貿易の拡大によって、地域経済そのものが崩壊してしまえば、農業や地域のなりわいに依拠している私たちの職場と仕事は成り立ちません。  私たちは、みずからの職場や仕事を守るために、そして家族や仲間の暮らしを守るためにも、地域の共同運動の一員として、職場の内外で多彩な運動を行います。

全国農業協同組合労働組合連合会綱領

1956年 3月18日制定
1961年10月 1日改定

 全国農業協同組合労働組合連合会は、すべての農協労働者の団結によって労働条件を維持改善し、その経済的社会的地位の向上を図り、併せて農協の民主的発展、勤労農民の経済的社会的地位の向上に寄与する。
 この基本目標を達成するため、われわれは次の諸原則を確認し行動する。

  1.  労働組合は労働者がみずからの経済的社会的利益を維持増進するために、なにものにも支配、拘束されることなく自主的に組織した団体であるという基本原則は、農民によって組織された農協を職場とする農協労働組合といえども貫徹されるものであることを確認し、積極的に労働運動の民主的発展を期するとともに、労働者と労働組合の基本的権利の獲得と団結権、団体交渉権、争議権の完全な確立のために闘う。
     
  2. 農協労働者の諸要求を実現するためには、単協労働者を含むあらゆる農業団体労働者の完全な組織化と、統一闘争の体制確立がわれわれの組織目標であることを確認し、全農協労連の強化と完全単一組織への発展をめざして闘う。
     
  3. われわれ農協労働者の労働条件が一般の労働者の労働条件と差があっていいといういかなる理由も認めない。同時に日本の労働者階級におおいかぶさってきている低賃金政策のしめつけは、われわれ農協労働者に最も直接的であることを認識する。従って日本のあらゆる労働者階級と緊密に提携して首切り、労働強化、低賃金政策に反対し、農協労働者の劣悪なる労働条件の一掃を期する。
     
  4. 農協を、その本来的使命である農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上のための忠実な実践者たらしめるため、農協労働者と農民は共通の場に立ち共に行動しなければならない。従ってわれわれは労働搾取と農民収奪を企図し、農協をその支配下におこうとする内外の独占資本に対し、積極的に農民と提携して闘う。
     
  5. 労働組合は如何なる政治的支配をも排除して完全に自由でなければならない。しかしながら現在の日本の社会機構のもとにおいてはすべての労働運動が経済的分野にのみとどまり得るものではない。われわれはかかる現実を認識し、共通の目的にむかって闘う政治勢力とは相異なる機能の明確な認識と相互の自主性尊重のうえ協力提携する。